【2学期始業式】
8月31日(月) 2学期始業式が行われ、校長先生より災害についての話がありました。
一人一人が防災意識をもち、危険に近づかないことや「なぜ」という好奇心をもち学ぶことの大切さを感じました。
2学期は体育祭や工業祭など、多くの行事があります。
体調管理を心がけ、行事に全力で取り組みましょう。
以下、校長講話
皆さん、おはようございます。
今日から2学期が始まります。
今年の夏は、私たちの住む東日本においては暑い日もありましたが例年ほどではありませんでした。
しかし、西日本では記録的な猛暑となりました。
世界的にみるとヨーロッパの熱波はすさまじく、涼しいい気候といわれているパリでさえ40度を超える暑さとなりました。
私が子供の頃はエアコンがない生活が当たり前でしたが、今ではエアコンなしの生活は厳しいです。
地球温暖化はここ数十年で確実に進んでいることを実感しています。
暑い日が続いたので、体に負担がかかっているかと思います。
無理はせず体調管理に気を使ってください。
夏休み中は、部活動やコンテストなど頑張りました。
皆さんの頑張りはこの後表彰でご紹介します。
3年生の皆さんはこれから進路に向けて動き出します。全力で臨んでください。
2年生の皆さんは学校の中心として動いていることと思います。部活動もそうですが工業祭など学校を動かす要となって引っ張ってください。
1年生の皆さんは、学校に慣れてきましたね。やりたいことを見つけ高校生活を充実させてください。
今日は災害の話をします。
7月28日熊本地方を震源とする令和8年熊本地震が発生しました。
また、8月13日から千葉県内に発生した線状降水帯による「令和8年8月千葉豪雨」が発生しました。
この災害で、亡くなられた方々への哀悼の意を表すとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
今日は、この2つの自然災害の考えてみたいと思います。
始めに地震についてです。
7月28日午後4時27分、熊本地方を震源とするマグネチュード7.1の地震が発生しました。
この地震による最大震度は7でした。
数字の上では大きな地震であることがわかりますが、震度6強を上回るとすべて震度7となります。
震度7以上は比較することができませんが、とてつもなく大きな揺れであったことは確かです。
この地震では多くの犠牲者と震災による家屋の倒壊がありました。
熊本地方には10年前の2016年4月も2度の大きな地震にみまわれました。
熊本のシンボルといわれる熊本城も大きく損壊しました。
瓦は落ち、石垣は崩れ、櫓(やぐら)は大きく傾いていました。
この映像を見るたびに胸が締め付けられる思いがしました。
機会があり4年前に熊本を訪問しました。
熊本城の天守の修復はずいぶん進みましたが、石垣の修復はこれから先、そうとう時間がかかるといった印象を持ちました。
熊本の街も活気があり、震災を乗り越え前に進もうとする勢いを感じました。
熊本に大きな半導体工場ができることも決まり、表情も明るかったです。
熊本市内の風景は、大きな地震があったことが信じられないほど復興していました。
熊本県内にも工業高校がいくつかあり、どの工業高校も元気で、コンテストや研究発表など積極的に取り組んでいました。
先進的に取り組まれている工業高校の視察やマイスターハイスクールの交流などがあり熊本を身近に感じていました。
今回の地震で学校の壁や窓ガラスに大きな損傷を受けたと聞いています。
また、通学する生徒の中にも被災した家庭もあったようです。
10年前の地震からようやくこれからという時期に萎えてしまう気持ちもあるかもしれませんが、一刻も早く復興されることをお祈りします。
このように、日本は地震が多い国です。
大きな地震は毎年のように発生しています。
熊本地震以外にも、6月には岩手県沖地震、1週前には茨城県を震源とし、県内でも震度5弱の大きな地震がありました。
なぜでしょうか。
日本列島は地質学的に4つの大きなプレートがぶつかりあう境界線上にあります。
地震が多いのも、地殻変動が激しいからです。
西日本には、大陸からのユーラシアプレートを押すように南側からフィリピン海プレートがぶつかっています。
その境界が南海トラフといわれています。
将来、南海トラフを震源とする大地震が心配されています。
南海トラフの北側には中央構造線といわれる大きな断層があり長野県から熊本県までつながっています。
熊本県にはその大地の裂け目にあり、その裂け目に世界最大級のカルデラを持つ火山阿蘇山があります。
私たちが住んでいる関東地方はどうでしょうか、日本の東側には北米プレート、西側にはユーラシアプレートがあります。
この2つのプレートを引き裂くような力が働き、その割れ目がフォッサマグナといわれています。
溝の深さは6000メートルにも及びます。
割れ目の西側が富山県と静岡県を結ぶ線で、東側は諸説ありますが、新潟県と千葉県を結ぶ線といわれています。
この大きな溝も、火山活動や2つのプレートからの土砂の流れ込み、フィリピン海プレートによって押され関東地方から新潟県の陸地を形成しています。
私たちは、この深い溝の上で生活しています。
この溝には、日本の人口の三分の一の人々が暮らしています。
地震は、プレートがぶつかりあう力が耐え切れず、ずれるときに発生します。
世界的にもこれほど多くのプレートがぶつかり合う国は珍しいです。
日本列島の成り立ちを知れば地震が多い理由がわかります。
だから大きな地震があることを前提に防災対策をすることが大切です。
日本の建物の耐震基準は高く、同程度の地震規模でも諸外国に比べ被害が少なくなっています。
しかし、尊い人命が失われているのも事実であり、犠牲者を減らすかは課題でもあります。
次に豪雨災害について考えていきましょう。
現在西日本では、降雨が少ない状況ですが、一般的には日本は雨の多い国です。
それは、日本の地形を見るとわかります。
日本の周りは海で囲まれているからです。
海水が太陽のエネルギーによって温められ水蒸気となって上空で雲となります。
その雲が日本列島の上空に流れ込みやすいからです。
強い日差しによって温められた湿った空気は、上昇気流によって上空で一気に冷やされ積乱雲として発達します。
上空で冷やされることによって氷の塊となり、地面に落ちます。
一般的な雷雨の場合、雨が降ることにより徐々に勢力が衰えます。
令和8年8月千葉豪雨の場合、太平洋側から暖かく湿った空気が次々に流れ込み、そこに北からの冷たい空気によって冷やされ、次々に積乱雲が発生しました。
その2つの空気がぶつかりあう境界線に線状降水帯が発生し、長時間にわたり停滞し激しい雨をもたらしました。
台風による災害とは違うところは、短時間に局所的に災害をもたらしたことです。
これからはこのような災害が多くなるかと思います。
地球温暖化が進み、南国であったスコールのような雨が都市でも起こるようになりました。
建物や車両の浸水による被害も多かったのですが、犠牲者も出ています。治水対策も大切ですが、尊い命が失われたことについて十分に検証する必要があります。
私は専門家でないので適切な意見は申し上げられませんが、どこかで自分は大丈夫だろうという「正常性バイアス」が働いたのかもしれません。
私たちの住む川越市周辺は大きな河川に囲まれ、2019年の台風19号には家屋の浸水等の大きな被害をもたらしました。
決して他人ごとではございません。
私たちの生命や生活を守るためにも一人一人が防災を意識し、危険には近づかないよう行動することが大切だと思います。
今日は、2つの自然災害の話をしました。
身の回りにある「なぜだろう、なんでだろう」と思う知的好奇心を育ててください。
自分での調べや学校の学びとにつながった場合「なるほど」と喜びに変わります。
最後に、今日皆さんが元気に登校してくれてありがとうございます。
もし不安や心配があるようでしたら勇気をもって周りの先生方に相談してください。
話せば気持ちが楽になります。
2学期も皆さんが元気で活躍されることを祈り、校長講話とします。
私からの話は以上です。